「目の前のマシュマロを食べずに待てた子は、大人になって成功した」という話を、聞いたことはないかの🦊 自己コントロールの大切さを語るときによく出てくる、有名な実験なのじゃ。今日は、その実験を人数を増やしてやり直した2018年の研究と、そのあとに続いた議論を紹介するのじゃ。

元になったのは、1990年にShoda、Mischel、Peakeが発表した研究なのじゃ。幼稚園に入る前の子どもに、お菓子をすぐ1つもらうか、待ってから2つもらうかを選ばせ、待てた時間を測った。すると、待てた時間が長かった子ほど、10代になってからの学力や、感情や行動の落ち着きが高い、という強い結びつきが報告されたのじゃ。ここから、「我慢する力が将来を決める」という話が広まったのじゃ。
ニューヨーク大学のWattsらは2018年、別の追跡調査のデータを使って、この結びつきを確かめ直したのじゃ。母親が大学を卒業していない家庭の子どもに注目して分析したところ、4歳のときに1分長く待てると、15歳の学力が標準偏差のおよそ10分の1ぶん高い、という結びつきは確かにあった。ただし、その大きさは元の研究の半分で、家庭の背景、幼いころの認知能力、家庭環境を考慮に入れると、さらに3分の2減ったのじゃ。
分かっているのは、「幼いころに待てた時間」と「のちの学力」の結びつきは、人数を増やして調べ直すと元の研究より小さく、家庭環境などを考慮するとさらに小さくなった、ということなのじゃ。待てる力が無意味だという話ではなく、待てた時間には家庭の環境や、もともとの能力の違いも映り込んでいた、と読むのが近いのじゃ。
この再検証には、元の実験と手順が違う、比べ方が公平でない、といった批判も出ていて、著者らが応答する形で議論が続いているのじゃ。決着がついた話ではないのじゃ。そして、この研究は子どもの追跡調査であって、気質診断の4タイプを調べたものではない。「疾風ぎつねは我慢が苦手」といった結論は、ここからは出てこないのじゃ。
ここから先は研究の結果ではなく、御狐からの提案なのじゃ。待てるかどうかが環境にも左右されるなら、大人の自分にできるのは、意志の強さを責めることより、待ちやすい場面を作ることじゃ。気質診断の「疾風ぎつね」には「勢いで決めた後は、一呼吸置く習慣があると安定する」とあり、「陽だまりぎつね」には「楽しい気分のまま大きな決断をするのは、一晩置いてからでも遅くない」とある。欲しいものを見つけたら、カートに入れて一晩置く。それだけで、「20秒待つ」に近いことは、大人でも作れるのじゃよ。
自分の気質がどのタイプか、気質診断でチェックしてみてください。